top of page

【報告】シンポジウム「多文化時代のキャリア支援とは」

こんにちは、DiVE.tvです!🌈

先日開催した「キャリア教育」×「日本語教育」をテーマにしたシンポジウムについて、ご報告します。

多文化時代のキャリア支援をテーマにしたシンポジウムの様子

このシンポジウムは、文部科学省『「生活者としての外国人」のための特定のニーズに対応した日本語教育事業・地域日本語教育実践プログラム』の一環として、外国ルーツの若者たちが "自分らしく生きる" 力を育むために、どのような支援ができるか?を考えることを目的に開催しました。


当日は、会場:約30名/オンライン:約70名と、多くの方にご参加いただきました。


多文化時代のキャリア支援シンポジウムの会場の様子


・各発表内容


牧野佳奈子(DiVE.tv代表理事) |「自信と希望を高めるキャリア支援を目指して」:

今回の事業を立ち上げた経緯と、取り組み内容について説明しました。

惟任将彦さん(大阪YMCA学院 教務主任)|「“できる!”を促すこれからの日本語教育」:

日本語教育の参照枠をどのように取り入れ、実践に活かしていくかを解説していただきました。

高綱睦美さん(愛知教育大学 准教授)|「公教育におけるキャリア教育の現状と課題」:

日本の小中高校で進められているキャリア教育の考え方と、具体的な実践例を紹介していただきました。

吉川夏渚子さん(同志社大学 国際教養教育院 助教)|「定住外国人学習支援センター(CLLR)の挑戦」:

岐阜県大垣市での3年間の取り組みについて、成果と課題を発表していただきました。


その後、参加者からの質問をもとに意見交換を行いました。その一部をご紹介します。



・Q&A


Q) なぜ公立学校から在日ブラジル学校に転校する人がいるのですか?その背景は?

牧野) 様々な理由があり一概には言えませんが、これまで接してきた生徒からは、「母語で教科学習をしたかった」「友達をつくりたかった」「安心して通える環境で学びたかった」といった声がありました。

また、日本の学校で劣等感やトラウマを抱え、ブラジル学校へ転入するケースも少なくありません。



Q) 日本語学校でも、日本語を教えるだけでなく、キャリア教育(進学指導ではなく、このセミナーで議論されたような内容のもの)を取り入れることができるとお考えでしょうか?また、それは具体的にどのような授業になるでしょうか?


惟任) はい、できると思います。当校では1週間に1回ホームルームの時間を設け、将来のキャリア形成を意識した「自己理解」「生活管理」「学習管理(自律学習)」「進学準備」「異文化理解」に関する授業を実施しています。ただ、高綱先生の御発表に「各教科における気づきや学びがなければ、『要』の時間が生かせない」とあったように、1週間に1回だけでは不十分であると感じています。そこで、当校の今後の課題としては、日本語の科目においても常にキャリアを意識した授業展開、および教員から学習者への働きかけが挙げられます。しかしそれが具体的にどのようなものになるのかまではまだ考えることができていません。



Q) 生徒に「社会的存在である」ことを気づかせると同時に、雇用側である企業等にも、「全ての人は同じ社会の構成員である」という自覚をもってもらうことが重要ではないかと感じました。

牧野) その通りだと思います。特に外国ルーツの若者(15〜25歳くらいの人)の存在はまだまだ企業や行政の方々に認知されていないと思うので、彼らの可能性や特異性(文化背景だけでなく生活背景や成育過程も多様であること)も理解してもらう活動が必要だと思います。そして、彼らが自分の強みや自分らしさを発揮できる環境/職場が少しでも増えるよう、働きかけていきたいです。



Q) 外国ルーツのある児童生徒のキャリア教育においては、現在活躍されている先輩方の紹介がとても大切だと思います。自分の将来を考えたときに、同じような背景をもつ人の例があることで、より具体的にイメージしやすくなるのではないかと考えます。

高綱) 確かにロールモデルとの出会いは重要ですね。一方で、そうした先輩と出会った時に自分の目指すものと先輩の姿を関連づけて考えたり、比較して考えたりする力を同時に育て、それらが両輪として繋がっていくと、モデルからの学びもより大きくなるのではないかと思います。


多文化時代のキャリア支援シンポジウムで登壇者が発言するディスカッションの様子
多文化時代のキャリア支援シンポジウムの全体の様子(参加者と登壇者)


・まとめ


今回のシンポジウムを通して、留学生や大人向けに日本語を教えている方々の間でも、キャリア教育への関心や期待が高まっていることを感じました。外国にルーツのある子ども〜若者の進路を考えることは、日本人も含むその他大勢の人たち、そして社会全体の未来を改めて考えることにもつながるのかもしれません。


当日のアーカイブ映像(限定公開)をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。





・今後について


現在、在日ブラジル学校向けに「キャリア教育ワークシート(約40Pの冊子)」を制作中です! 4月下旬の完成を目指していますので、ぜひご期待ください!

コメント


bottom of page